パーキンソン病に対するグルタチオン療法のご案内
酸化ストレスにアプローチする新たな治療選択肢
当院では、パーキンソン病に対する補完的治療の一つとして「グルタチオン点滴療法」を導入いたしました。パーキンソン病の進行を遅らせたり、症状の改善をサポートする可能性があるこの治療について、ご案内いたします。
グルタチオンとは?
グルタチオンは体内に広く存在する天然のトリペプチド(グルタミン酸・システイン・グリシンからなる物質)で、主に「抗酸化作用」「解毒作用」「免疫調整作用」を担っています。
パーキンソン病では、脳内の黒質におけるグルタチオン濃度が低下しており、これが酸化ストレスや神経細胞死に関与するとされています(Perry et al., 1982)。
グルタチオン療法の目的と効果
パーキンソン病の発症・進行には、酸化ストレスやミトコンドリア機能障害が深く関与していることがわかってきました。グルタチオンはこれらに対し、以下のような作用が期待されます:
- 酸化ストレスの軽減による神経保護作用
- ドパミン神経細胞の機能維持・保護
- L-ドパなどの標準治療の補助的効果
実際に、グルタチオン点滴による一時的な症状改善や、QOL(生活の質)の向上が報告されています。
エビデンス紹介(臨床研究)
以下は、グルタチオン療法の有効性に関する代表的な研究です:
- Hauser et al. (2009)
パーキンソン病患者を対象にしたプラセボ対照試験において、静脈内グルタチオン(IVGSH)を1日2回、4週間投与した群では、UPDRS(運動症状スコア)の改善傾向が報告されました。 - Mischley et al. (2015, 2017)
長期観察において、グルタチオン点滴療法を継続したパーキンソン病患者は、運動機能・生活機能におけるスローダウンが少なかったという結果が得られています。
※なお、現時点では大規模な第Ⅲ相試験による確立された標準治療ではありません。
治療の流れ
1.初回カウンセリング(予約制)
症状、現在の治療内容、点滴適応などを確認します。
2.点滴スケジュールのご提案
一般的には週1~2回、1回あたり800~2000mgを点滴投与(約30分)。
3.治療開始
途中で効果や副反応を評価しながら継続の可否を検討します。
費用・注意点
- 本治療は自費診療(自由診療)となります(健康保険は適用されません)
例:1回あたり 7,000円(税込) - 現在の治療(L-ドパやドパミン作動薬等)との併用が基本です
- 妊娠中、授乳中の方、重篤な肝疾患・腎疾患がある方は適応外となる場合があります
※当院では、美容や美白を目的としたグルタチオン点滴療法は行っておりません。
あくまで神経内科的適応(パーキンソン病など)に限って実施しております。
自由診療に関するご案内
- 当院のグルタチオン点滴療法は、保険適用外の自由診療です。
- 効果には個人差があり、すべての方に効果を保証するものではありません。
- 本治療は標準治療に代わるものではなく、あくまで補完的な選択肢としての位置づけとなります。
- 点滴治療にともなう副作用やリスク(アレルギー、注射部位の違和感など)についても事前に説明を行い、同意書を取得のうえで実施しております。
最後に
グルタチオン療法は、パーキンソン病の標準治療を補完し、患者さんの生活の質をより良くする可能性のある治療選択肢です。当院では、患者さん一人ひとりに合わせた安全で丁寧な治療を心がけております。
ご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。