健康診断でひっかかった方へ

健康診断の結果が出た後は

健康診断の結果が出た後は健康診断の結果に「要注意」と書かれていた項目があったとしても、日々の忙しさでなかなか受診するまでに至らない方も多くいらっしゃるかと思います。
ですが、健康診断の結果を正しく理解することで、命に関わる病気を予防したり、心身ともに負担がかかる治療を受ける可能性を減らしたりすることができます。
当院では一般的な健康診断を実施しております。また、健康診断で「要検査」の結果が出た方に向けた、再検査・治療にも対応しております。
将来の病気のリスクを抑えたい方、健康診断の結果について質問したい方はお気軽にご相談下さい。

健康診断で指摘されることの多い項目

健康診断で指摘されることの多い項目「どの項目に異常があるのか」「異常値に近づいている数値がないか」などを把握しておくことは、健康で若々しい身体を保つうえで重要です。
以下の項目では、健康診断でよく検査される内容に触れていきます。ぜひ、このページを読みながら、ご自身の健康診断の結果を確認してみましょう。

血糖値 血糖、ヘモグロビンA1c(HbA1c)

糖尿病や糖尿病予備軍について調べる項目です。糖尿病になると動脈硬化やその他合併症を引き起こすリスクが高くなり、命に関わる生活習慣病です。血糖値は前日食べたものによっても左右されますので、専門医のもとで正確に測ってもらうことをお勧めします。

血圧

一般的に高血圧の基準は以下の通りです。

診察血圧 140/90mmHg以上
家庭血圧 135/85mmHg以上

高血圧になると、血管にダメージをかけ続けてしまうため、動脈硬化を引き起こしやすくなります。また、動脈硬化は、脳梗塞や脳出血、心筋梗塞のリスクも高めてしまうので予防に努めましょう。
初期の高血圧の場合、食事(減塩コントロール)や運動を行うことで、血圧を下げることができます、また肥満のある方は減量がとても効果的です。

脂質異常

LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪(TG)の正常値は以下の通りです。

悪玉(LDL)コレステロール値 70~139mg/dL
善玉(HDL)コレステロール値 40mg/dl以上
TG(中性脂肪) 150mg/dl以下

脂質が高くなると、動脈硬化や血管の狭窄・閉塞のリスクが高くなり、脳梗塞、脳出血、心筋梗塞のリスクも一緒に上昇させてしまいます。
血管の詰まりやすい狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などがある方の場合は、特に厳格にコントロールすることが求められます。LDLコレステロールは食事の影響を受けにくく遺伝的な要因が大きく関わります。内服薬が効果的な場合も多いので医師にご相談ください。

尿酸(UA)

尿酸値が高いと、痛風の発症リスクを上昇させてしまいます。また、痛風だけではなく、動脈硬化や腎障害のリスクも高める要因になります。
尿酸値が高くなる原因は主に、プリン体が多く含まれている食品やお酒の過剰摂取などですが、脱水や近年増加している肥満による影響も多く見受けられます。レバーなどの肝臓料理や干物、ビールなどのアルコール類は控えておきましょう。 

尿たんぱく・尿潜血

尿蛋白がある方は腎臓の機能が本質的に低下している可能性があります。また尿潜血がある方は膀胱炎や尿路結石が原因の場合が多いですが、一部の慢性腎炎や腎臓がん、前立腺がん、膀胱がんどの可能性もあるため継続的に認める場合は注意が必要です。ためらわず再検査を受けることをお勧めします。 また長らく高血圧をかかえているような方は腎硬化症という動脈硬化を基調とした腎臓病を患うことが知られていますので、こうした尿たんぱくの状態を定期的に評価することが必要です。
このような病気にかかっていなくても、尿蛋白や尿潜血の結果が出ることもあります。ご心配な方は医師へ相談してください。

クレアチニン(Cr)・尿素窒素(BUN)

クレアチニンと尿素窒素は、体内の老廃物です。これらの数値が高いと、慢性腎臓病や慢性腎不全に至っている可能性があります 。 クレアチニンは筋肉量に影響を受けますので若い男性などは高くなりやすく、逆に高齢の女性などは特に低くなりやすいですので、数値が正常値より少し高いだけでも要注意です。 腎機能は回復が大変難しく、一旦重度の腎不全になってしまうと透析の危険がでてきます。
​また、高血圧や糖尿病、高脂血症、高尿酸血症などの生活習慣病も、腎機能を悪化させる原因になります。遺伝的な要因もありますので血縁に腎不全の方がいる場合は特に定期評価をお勧めします。 

肝臓 ビリルビン・AST(GOT)・ALT(GPT)・γGTP・ALPが高い、
アルブミンが低い

ビリルビン・AST・ALT・γGTP・ALP・アルブミンなどの数値に異常がみられると、肝機能の障害が疑われます。
肝機能の低下は、お酒やウイルス感染、薬の影響などが原因となる場合が多いです。原因を特定し、適切な治療を受けていきましょう。
当院では、詳細な血液検査や超音波検査などを通して、肝機能障害の原因を見極め、原因に合った適切な治療を提案いたします。

膵臓 アミラーゼ

アミラーゼとは、膵臓で作られる消化酵素のことです。血中にアミラーゼが出ている場合、膵炎などが隠れている可能性が出ます。
膵炎は自覚症状に乏しく、進行すると命に関わる疾患です。健康診断で行う血液検査の結果に、アミラーゼの数値で異常を指摘されましたら、一度精査をおすすめします。

貧血 血色素量・赤血球量・ヘマトクリット

貧血は特に若い女性などでは月経血による影響でよく見られますが、様々な理由で認められますので、詳しく正確に評価することが肝要です。胃や十二指腸、小腸、大腸といった消化管由来の出血や婦人科系の疾患による影響に特に注意が必要ですが、出血以外にも慢性的な感染症などの炎症、赤血球を作る骨髄自体の問題や、鉄以外の赤血球を作る材料の不足、溶血といってせっかく作られた赤血球が過剰に破壊されたりすることによっても生じます。
正しい治療を行う上では赤血球数やヘモグロビンの数値だけでなく赤血球の大きさや形などにも目を向けて正しく評価しなければいけません。貧血は単に鉄を補給すればよいというような単純なものではないので、心配であれば一度当院の医師にご相談ください。

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